銀杏食べ過ぎによる銀杏中毒が危ない!中毒症状を回避したい人たちへ
秋の味覚のひとつとして親しまれる『銀杏』
美味しいので、ついつい食べ過ぎてしまいますよね。
銀杏には滋養強壮をはじめ、膀胱や肺を温める働きがあり、
ぜんそくの治療やせき止め効果があるなど、非常に身体に良い食品です。
しかし一方では、銀杏を食べ過ぎると中毒症状を起こす危険性も。
ももちろん食べ過ぎは、銀杏でなくてもよろしくありませんが、
銀杏を美味しくいただく為にも、銀杏中毒は気になるポイントです。
そこで今回、中毒症状が起こる目安量と、銀杏中毒についてをご説明、
食べ過ぎない為のポイントをご紹介していきたいと思います。
Contents
銀杏の中毒症状と原因は?
銀杏を食べ過ぎた際の症状としましては、食べ過ぎの後の1~12時間後に、
腹痛や嘔吐、下痢、消化不良をはじめとした食中毒症状がでるほか、
重傷な場合はふらつきや痙攣、呼吸困難などが生じることがあり、
最悪な場合死に至ることもあります。
銀杏の食用の死亡例は第二次世界大戦前後に多く見られ、
最近では症例などですが、決してまれなケースでもなかったようですね。
また、なぜこのような食中毒症状を引き起こすのかというと、
銀杏にはビタミンB6の欠乏を引き起こし、その働きを邪魔する、
チルビリドキシ(MPN)という物質が含まれています。
{ ビタミンB6 }
体内の代謝に関わる、
様々な酵素の働きを助ける”補酵素”としての作用がある。
その事が、神経伝達を抑制してくれる天然アミノ酸のひとつ、
“GABA(ギャバ)“の活動を邪魔してしまうことにより、
神経伝達が抑制されず、痙攣などの中毒症状が生じてしまい、
銀杏中毒を引き起こす原因になっていると考えられています。
銀杏の食べ過ぎ注意!子供は特に銀杏中毒になりやすい!
中毒症状が発症した報告が多くある中、
その7割以上は10歳未満の子供といわれています。
大人は肝臓に、銀杏に含まれるチルビリドキシを解毒する酵素を持っており、
それなりの量を摂取したとしても中毒症状にはなりにくいですが、
子供の場合、肝臓が未発達のため、チルビリドキシをうまく分解できず、
ぎんなんの中毒症状になりやすいというわけです。
ですので、子供がぎんなんを口にする場合、
その摂取量に十分な配慮をしなければなりません。
中毒になる量の目安は?中毒症状がでた時の対処法
・ 子供は7粒程度
・ 成人は40粒程度
上記が、中毒症状が起こる目安とされています。
ただし、子供の場合は個人差が激しい場合が多く、
数粒程度で中毒症状がでたという報告もあるようです。
特に5歳未満のお子さんには、成長するまで与えない方が良いでしょう。
『 治療法に関して 』
・全身管理と対処療法が主体となります。
※痙攣の症状に対しては、ビタミンB6を
活性化させる注射が有効とされています。
また、中毒症状がでてしまった場合できるだけ早く病院へ連れて行ってください。
その時お医者さんに、銀杏を食べた事を伝えるのをお忘れなく。
他にもある!食べ過ぎ注意な食べ物たち
実は銀杏のほかにも身近にある、「食べ過ぎ注意な食べ物」は意外と多くあります。
今回は、その中でも代表的なものを3種類ほどご紹介したいと思います。
じゃがいもの芽や緑の表皮には、「ソラニン」という毒素が含まれており
大量に摂取すると、嘔吐や下痢、めまいに呼吸困難などの症状を発症させる場合があります。
ソラニンは加熱等の処置を加えても、ほとんど分解されないようなので、
しっかりと下処理してからじゃがいもを調理しましょう
青梅に青酸が含まれていることは、意外と知られている話かと思いますが、
一度は耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
正式には「青酸配糖体」と呼ばれる物質で、呼吸困難やめまいを生じさせるようです。
しかしこの毒素、どれだけ危険かというと、
成人なら約300個、子供なら100個程度食べない限り、深刻な影響は出ない程度とのこと。
ただし、未成熟の場合は毒素の量が10~20倍含まれているので、
間違って未成熟の実を食べないよう気を付けてくださいね。
インゲン豆などの豆類には「レクチン」というたんぱく質が含まれており、
これを摂取する事によって吐き気や下痢などを起こすようです。
また、この毒は発症するまで早くて10分と即効性があります。
しかし一方で、このたんぱく質は十分な加熱によって毒性がなくなりますので、
正しく調理法を実践すれば、この毒性に困らされることはありません。
ですので、「生で食べない」程度の認識で良いと思います。
まとめ
大人ももちろんですが、特に子供さんが食べる場合、
摂取量には十分に気を付けたい部分です。
秋の季節は銀杏を口にする機会も増えるかと思います。
銀杏を美味しくいただく為にも、銀杏中毒には気を付けてくださいね。